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暮らしに合わせたシステムキッチンの見つけ方とは?タイプ別の特徴やメリット・デメリットを解説
2022.04.01
こんにちは、森住建 設計部の小塚です。
お施主様によって家づくりのご要望はさまざまですが、キッチンについては「特にこだわりたい!」という方が多くいらっしゃいます。システムキッチンの種類もかなり増え、どれを選んでいいかわからないという声も聞かれます。
今回は、自分にぴったりのキッチンを見つけていただけるよう、 生活スタイルや使い方に合わせたシステムキッチン の選び方を紹介していきます。メリットやデメリットも詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
キッチンはイメージする生活スタイルや嗜好にあわせて選ぶ
キッチンは、見た目の豪華さや憧れの気持ちを優先して選んでしまいたくなるものですが、これは要注意です。なぜなら、あとあと使い心地が自分の生活スタイルにあわないことに気づき、キッチンでの家事が億劫になってしまうこともあるからです。そんな後悔を防ぐためにも、 キッチンはイメージする生活スタイルにあわせて選ぶ ことをおすすめします。
そこで、キッチンを選ぶときは、 「見せる」「隠す」「調理作業に専念」「コミュニケーションを重視」 という4つのスタイルに注目しましょう。
キッチンのタイプを分ける4つのスタイル
「見せる」とは、近接したダイニングスペースからでも調理中の様子がわかるように配置されたキッチンのこと。LDKすべてがつながった間取りにすることもできるので、 開放感あるつくりに仕上がります 。
次に「隠す」についてですが、これは 落ち着いて調理をしたい方や生活感をあまり感じさせたくない ようにするためのレイアウトやあしらいを施したキッチンのこと。
「調理作業に専念」できるキッチンは、キッチンスペースが個室のように機能し、 ダイニングやリビングとは隔てられた状態 をいいます。
「コミュニケーションを重視」するスタイルの場合は、 調理中も家族の様子をうかがいたい人に適したキッチン をおすすめします。
この4つのスタイルの組み合わせによって、キッチンに対する理想が大別でき、それに伴って自分に適したキッチンのタイプも明らかになります。
A「キッチンをある程度見せつつ、調理中の家族とのコミュニケーションも取れるようにしたい」という方
→ 「オープン型の対面キッチン(アイランドキッチン・ペニンシュラ型キッチン)」 がおすすめ
B「キッチンの様子をあまり見せたくはないが、調理中の家族とのコミュニケーションは取れるようにしたい」という方
→ 「カウンター付きの対面キッチン(パーテーション対面キッチン)」 がおすすめ
C「キッチンはある程度見せたいが、調理作業には専念したい」という方
→ 「壁付型キッチン」 がおすすめ
D「キッチンはほかのスペースから見えないように配置し、調理作業に専念したい」という方
→ 「独立型キッチン」 がおすすめ
「見せる」+「コミュニケーションを重視」=オープン型の対面キッチン(アイランドキッチン・ペニンシュラ型キッチン)
アイランドレイアウトの例
「キッチンをある程度見せつつ、調理中に家族とコミュニケーションが取れるようにしたい」という方に向けた「 オープン型の対面キッチン 」。その代表格は、調理スペースが壁やシンクから離れているアイランドレイアウトです。
オープン型の対面キッチン(アイランドレイアウトの場合)のメリット
- キッチンからダイニングやリビングが見渡せるので、開放感たっぷり。調理中に家族との会話が楽しめる
- スペースを広く確保できるので、家族と料理をしたりホームパーティーを開いたりするなど、複数人でキッチンを使用できる
- 「シンクや加熱機器、ワークトップを独立させる」「加熱機器のみアイランドとは別に設ける」など、用途にあわせて自由なレイアウトが可能
オープン型の対面キッチン(アイランドレイアウトの場合)のデメリット
- キッチンスペースが広くなる分、ダイニングやリビングの間取り調整が必要(一般的なキッチンの広さ:約4.5畳、アイランドスペース:約6畳分)
- フルオープンだと吊り戸棚を設けないので、食器の収納場所を確保しなければならない
- 見通しがよくキッチンの生活感がゲストから見えやすい
- ダイニングやリビングとの仕切りがない分、油はねや水はね対策も必要になる
- 化粧パネルの取り付け面が多いことや、換気扇やレンジフードを天井に取り付ける必要があるためその分のコストがかかる
ペニンシュラレイアウトの例
「料理教室のようで憧れる」「おしゃれで料理の時間が楽しくなりそう!」というイメージのあるアイランドレイアウトですが、実際は設置スペースが限られることや高コストがネックになって断念されるお施主様も少なくありません。しかし理想の暮らしを実現するためには、こだわりを諦めたくないですよね。
そんなお施主様のご要望にお応えするため、森住建では アイランドレイアウトのデメリットをカバーしたペニンシュラレイアウトのキッチンをご提案 しています。おしゃれで開放的なレイアウトを実現しながら、コストを抑えて省スペースでの設置も可能です。
オープン型の対面キッチン(アイランドキッチン・ペニンシュラ型キッチン)は、料理好きなら一度は憧れるもの。デメリットもしっかりと理解したうえで、取り入れる必要がありそうです。
「隠す」+「コミュニケーションを重視」=カウンター付きの対面キッチン(パーテーション対面キッチン)
「キッチンの様子をあまり見せたくはないが、調理中に家族とコミュニケーションが取れるようにしたい」という方に向けた「 カウンター付きの対面キッチン(パーテーション対面キッチン) 」は、キッチンの左右どちらかの側面が壁に接しているペニンシュラレイアウトがおすすめです。
カウンター付きの対面キッチン(パーテーション対面キッチン)のメリット
- 手元が隠せる腰壁を取り付けることで、キッチンの生活感を隠せます。また、腰壁は油はねや水はねを防止する効果も見込める
- アイランドレイアウトよりも開放感はやや抑えられますが、調理中家族とコミュニケーションを取ることに大きな支障はない
- LDK全体のスペースが限られている場合でも取り付けやすい
カウンター付きの対面キッチン(パーテーション対面キッチン)のデメリット
- アイランドレイアウト同様に吊り戸棚を設けないケースが多いので、収納スペースが少なくなる
適度なお籠り感がありながら、家族とのコミュニケーションも取れる ことから、昨今はカウンター付きの対面キッチン(パーテーション対面キッチン)が人気です。
「見せる」+「調理作業に専念」=「壁付型キッチン」
それぞれのキッチンの特徴を順に解説していきます。
「キッチンはある程度見せたいが、調理作業には専念したい」という方に向けた「 壁付型キッチン 」は、キッチンスペースが壁に向かって取り付けられたタイプで、ウォール型や背面型とも呼ばれることも。基本的にはコンロとシンクが横一列に並んだ「I型」が主流です。
壁付型のメリット
- 調理に関係のない事柄があまり視界に入らないので、調理に集中しやすい
- キッチンの背面にダイニングテーブルを置くと、キッチン兼ダイニングのような使い方ができ、スムーズな配膳が可能
- 壁に窓を取り付けると採光性の高いキッチンに仕上がります。窓を開けて換気をすることで、ニオイもすぐに逃がせる
- 壁に棚を取り付けることで、調味料や調理道具の収納も可能
壁付型のデメリット
- 周囲からキッチンの様子が見えるため、来客時には「散らかっていないか」が気になる場合も
- キッチンの後ろにダイニングが配置される場合が多く、冷蔵庫やキャビネットはキッチン横に並べることになり、調理中は横の作業動線が長くなりがち
壁付型にはシンクとコンロをわけて、それぞれを並行にレイアウトした「Ⅱ型」と呼ばれるものもあります。これは「I型」よりも動く距離が短くなり、収納スペースもより多く確保できるようになっています。
「隠す」+「調理作業に専念」=「独立型キッチン」
「キッチンはほかのスペースから見えないように配置し、調理作業に専念したい」という方に向けた「 独立型キッチン 」は、キッチンスペースが壁やドアなどで囲まれており、ほかのスペースとは分け隔てられたひとつの空間となったキッチンのことです。
独立型のメリット
- 調理に特化した空間になるため作業に集中できる
- LDKの一体感を気にする必要がなく、収納や冷蔵庫、キャビネットなども自分好みにレイアウトできる
- 急な来客時もキッチン内が見えないので安心
- 一部屋をまるごとキッチンとして使えるので、調理道具などをまとめて収納できる
独立型のデメリット
- 他空間とのコミュニケーションが取りづらく、ダイニングやリビングへ声をかけるときは移動する必要がある
- 人目に触れない分、手入れがおろそかになりやすい
- 料理をダイニングまで運んだり、食器をシンクまで運んだりする手間がある
調理環境がしっかり確立されている点が独立型キッチン最大のメリットです。ほかのスペースとの兼ね合いを考慮することなく、主に キッチンに立つ人が思いのままレイアウトできる ので、使い勝手も上々。壁付型のように「Ⅱ型」でレイアウトするのも可能です。
森住建では、キッチンレイアウトもお客様のご希望に合わせて選んでいただけます。ライフスタイルやLDKとのバランスなど、お施主様の理想に寄り添って打ち合わせを進めていきますので、キッチンにお悩みの際はぜひご相談ください。
PROFILE
小塚弘華
設計事業部・新築設計課