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住宅の間取りとは?注文住宅を建てる際に意識したいおすすめポイント
2020.09.01
こんにちは、森住建設計事業部の鷲見です。
家づくりには多くの工程があります。中でも 間取り(=プラン)を考えて図面に落とし込む工程 は、お客さまにとって描いていた暮らしのイメージがカタチに近づくので、皆さんワクワクされます。
では、 自分たちにとって最適で、暮らしやすい間取りは、どのようにすれば導くことができるのでしょうか? 今回はその答えをご一緒に考えていきましょう。また、おすすめの間取りのアイデアや、間取りを決める際に合わせて考えておくべきポイントもご紹介します。
目次
間取りの要望を洗い出し、具体化しながら優先順位を決める
森住建では、間取りを一緒に考える前に、お客さまへ宿題を渡しています。それが 「家づくりのヒアリングシート」 です。これは、現在の住まいの様子やそこでの暮らし方をはじめ、新しい家に求めるご要望やイメージを書いていただく小冊子。 LDK、水回り、寝室、子ども部屋などの各部屋はもちろん、玄関、階段、外観、庭・外構に至るまで 、理想のお住まいの形を記入していただいております。
そしてお客さまにご記入いただいた内容をベースに、設計士が間取りを決めていく上で具体的なご質問をさせていただきます。例えば…。
「LDKを開放的に」と書かれた場合でも、 ダイニングとキッチンはある程度連続させたほうがいいのか、ダイニングとリビングに距離は必要か、キッチンはアイランド型がいいのか などによって、開放の度合いも変わります。そこで、どれほどの開放感を求められるのかなど、より細かなヒアリングをさせていただき お客さまの理想を形に していきます。
仮にLDKで20畳を確保するなら、当初同じ1階で想定していた和室や子ども部屋のどちらかを小さくする別案を考えなければならない場合も。そこでLDKも和室も広さを譲れないのであれば、子ども部屋を2階に設けるなど、配置換えのアイデアをご提案します。
このように、 ご記入いただいたご要望やイメージを家づくりのプロとの会話によって具体化しながら 、優先順位も明らかにしていくことで、理想の間取りに近づきます。
家事動線を考慮した間取りのおすすめ
最近は、 家事動線を考慮した間取りをご希望される方 が多いです。家事動線を考慮した間取りとは、キッチンを中心に、洗面所、風呂、ランドリールーム、トイレが行き来しやすい間取りのこと。
料理をしながら洗濯や掃除をするなど、家事の同時進行は日常茶飯事。キッチンとランドリールームを何度も行き来するのは手間ですよね。だからこそ、家事で使うスペースを近い場所に配置し、行き来する時間を短縮すると、家事効率が上がります。
では、 家事動線を考慮した間取りのアイデア で、特におすすめをご紹介しましょう。
- 玄関からパントリー・キッチンにつながる間取り
買い物から帰ってきたら、そのままパントリーへ。そこで買ってきた食材を片付けて、すぐにキッチンに立てる動線は好評でした。 キッチンから玄関までの移動がスムーズ なので、ゴミ出しもラクです。
- ランドリールームとファミリークローゼットが隣り合わせの間取り
洗濯は、渇いた服を畳んで、それを各部屋に片付ける作業がとても手間。でも、 ランドリールームとファミリークローゼットが隣り合わせ なら、ランドリールームで洗って乾かして畳むという一連のプロセスを済ませて、隣のファミリークローゼットに家族全員の服を一度に片付けることができます。
- 玄関に土間収納のある間取り
子どもの遊び道具は、部屋に持ち込むと砂やホコリが落ちて掃除が大変。 その手間をなくすのが土間収納です。 子どもの遊び道具以外にも、コートやブルゾンなどのアウターを土間収納に掛けられるようにしておけば、帰宅した家族がリビングにアウターを脱いだままにすることもなくなります。
大きな収納をつくるよりも、家族の生活に合わせた収納を適材適所の考え方で配置
実は間取りを考えるとき、 収納計画も忘れてはなりません。 ところで皆さん、収納は広いほどいいと思っていませんか。これは大きな誤解です。なぜなら、収納力が必要以上にあると、無作為にモノを入れるようになってしまうからです。
収納はモノを片付ける場所ですが、取り出しやすい状態もキープしておかないといけません。 収納力があるからといって、モノをどんどん片付けてしまうと、取り出しにくくなります。 そこでおすすめしたいのが、“収納するモノ”に合わせた適切な大きさの収納をそれぞれの部屋に設けるという考え方です。
前段でパントリーや土間収納に触れましたが、ほかにも収納には次のような種類があります。
- リビング収納
- ウォークインクローゼット
- 階段下収納
- 廊下収納
- 洗面・脱衣室収納
- 寝室収納
- 子ども部屋収納
- ロフト収納
(すべてとは言いませんが)これらを具体的に何を収納するかを考え、それに合わせたサイズで配置することにより、それぞれのスペースで必要なモノをうまく収め、かつ取り出しやすい環境がつくれます。 「モノが散らかって困る!」という悩みも解消 できますね。収納は適切なサイズを、適材適所で配置する。この法則は覚えておいてくださいね。
間取り決めと、窓・コンセントの位置決めはセットで考える
突然ですが、想像してみてください。もしも家族が多くの時間を過ごすリビングが暗かったら…、もしも寝室に光が必要以上に差し込んでしまったら…。たとえ理想通りの間取りができたとしても、 各部屋に取り付ける窓の位置が適正でないと暮らしやすいとは言えません。 そこで、窓の配置では以下のポイントに注意します。
- 道路や歩道からの目線
- 隣地や近隣の建物からの目線
- 採光具合
- 屋外の音の入り方
- 風の通り方
- 冷暖房効率
最後にもう一点。 コンセントの数と場所も、間取りを決めるときにセットで考えるようにしましょう。 その際、どんな家具をどこに置くかも重要なポイントです。些細なことですが、ソファから手の届くところでスマホが充電できるのとできないのでは、快適さも変わってきます。
キッチンでは、出番が多くて常にコンセントを挿したままにしておきたい家電が何なのかを考えましょう。 また、ワークトップ(調理や下ごしらえなどの作業を行う天板・カウンター)で作業をするときに、どの家電をよく使うか も割り出します。例えばハンドミキサーをよく使うのに、ワークトップの近くにコンセントがなかったら、とても不便ですからね。
最近は、お掃除ロボットを使われる方も多いので、充電台(ロボットのホーム)をどこにするのかもコンセント決めの際に考えます。
最後に
いかがでしたか?注文住宅における間取り決めは、考えることが多いと思われたかもしれません。でも、それは自由度が高いことの証明。 細部に至るまでこだわりを突き詰められるからこそ、住み始めたときに「注文住宅を建ててよかった!」 と思えるはずです。
私たち設計担当は、お客さまの思いを整理し、具現化することが任務。 間取りで困っている方のお悩みを解消するアイデア をどんどんご提案します。
PROFILE
鷲見菜摘
設計事業部・新築設計課