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「お客さまにとってベストな間取りを考える」。森住建がこだわる“敷地を読む”の重要性
2019.10.30
お客さまにとって、新居のイメージやデザイン、間取りなどを固めていくプランニングは、家づくりの工程の中でも楽しい作業。ところが、パートナーとなるハウスメーカーや工務店は、すぐにプランニングに取りかかるわけではありません。基本的にはプランニングの前に、お客さまが家を建てる敷地についてさまざまな調査を実施しています。森住建ではこの調査のことを「敷地を読む」と名付けました。そこで今回、森住建・池田店の森田店長に「敷地を読む」ことの重要性について解説してもらいます。
目次
敷地を読んだら、「サイトプラン」を作成
――まず「敷地を読む」について教えてください
「敷地を読む」上で、私たちは、その形状や面積、隣地や周囲の環境と法令、日当たり、風の通り道などを調べます。以上の項目を調べないまま、プランニングを行うことは決してありません。調査の結果は「サイトプラン」と題し、お客さまに詳しくご説明させていただきます。
土地を所有されているお客さまは、最初に顔合わせをし、特に資金面でも課題を抱えていなければ、「具体的なプランを考える前に一度土地を見せてください」と申し出ます。ですから、早いお客さまですと、お会いして2、3回目のタイミングでサイトプランをお見せしていますね。なお、土地探しから始められるお客さまについては、希望の居住地のヒアリングからスタート。その後、私たちが土地探しのお手伝いをしますので、その分サイトプランのご提案スケジュールは先送りになります。
「サイトプラン」から敷地の現状を知る
――「サイトプラン」について詳しく解説してもらえませんか?
「サイトプラン」では、次のような項目をお伝えするようにしています。
居心地のいい場所
その名の通り、家の中で居心地がいいと感じられる場所のこと。太陽の高さが低い季節でも日当たりがよく、リビングを設置するには最適な場所です。また、間取りによっては、居心地のいい場所からダイニングキッチンや外の景色を見渡すこともでき、開放感も得られると思います。
玄関の位置
道路から見て“家の顔”となるポイントがどこになるかによって、玄関の位置が変わります。
水廻りなどの機能空間の位置
上下水道、ガス、電気などの引込位置を確認すると、トイレや風呂などの位置もおおよその見当がつきやすくなります。
土地の高低差
すべての土地がフラットな形状とは限りません。どこかしらに高低差が付いており、それが家づくりにおいて影響を及ぼします。仮にお客さまの土地と冠水しやすい道路が隣接している場合、地盤自体に高さを持たせて家を建てないと、大雨の時には冠水被害に遭いやすくなるでしょう。また、玄関を設ける際にスロープや階段が必要かどうかなども高低差のチェックから明らかになります。
下水道が通っていない地域では浄化槽を設置することになります。水は高いところから低いところに流れるので、家から浄化槽、浄化槽から排水路まで排水がスムーズに流れるように配管を通さなければならず、それぞれの区間に勾配を取る必要があります。生活排水が排水溝に流れないことを想像してみてください。快適な生活は望めませんよね。
風の通り方
季節ごとの風の向きを調べれば窓の位置や大きさが割り出せます。風がよく通らないと、空間の快適性は一気にダウンしますから。快適性が損なわれる家は、住んでいてもストレス増大につながってしまいます。
隣家と周辺の環境
窓の取り方を考える際、隣家や周辺民家の窓との位置関係も配慮してプライバシーを守ります。仮に隣家の壁がお客さまの敷地ギリギリまで迫っている場合、プライバシーの確保は重要課題です。また、敷地の近くに何があるのかを調べておくのも大切。例えばスーパーやドラッグストア、公園があるとするなら、「とても便利!」と感じるかもしれませんが、それだけ自宅の近くを不特定多数の人が行き交うことになります。となると、“防犯効果の高い設計が必要”という判断ができるのです。さらに、大きな道路が近ければ、防音対策なども必要になってきます。
ベストな間取りを考えるために
――「敷地を読む」メリットには、どんなことがありますか?
「サイトプラン」に記された前述の項目は、お客さまにとってベストな間取りを考えるという工程で有益な情報源となりますし、そもそもその土地の購入を考えている方に対しての決断材料としても力を発揮します。なお、土地選びからのお客さまに対しては、候補に挙がっている複数の土地それぞれのサイトプランを考え、ご提案していますよ。
また、他社と迷っているお客さまがサイトプランを見て、「森住建なら理想の家がつくれるかもしれない」と思っていただけるとうれしい限りです。極論を言えば、私たちへの期待値を高めるためのプレゼン資料と言えるかもしれません。
所有している土地は、そもそも家を建てられる土地なのか
――お客さま自身が土地を持っている場合、森住建を訪ねる前に最低限その土地について把握しておくべきことはありますか?
親御さんから農地を譲ってもらって家を建てるというお客さまの場合は、その農地のある場所が家を建てていい区域かどうかを知っておきたいところ。駅近や住宅の多いエリアを除く郊外では、一帯が農業振興地域に指定されていることがよくあります。
農業振興地域とは農業を推進するための土地が広がっているエリアのことで、農地以外での土地の利用が厳しく制限されます。この地域では新築や増築をする際に、自治体に多くの申請をしなければならず、建築許可を得るために期間を要します。許可の取得は数ヶ月で済む場合もあれば、1年以上かかることもありますので、マイホーム計画の見直しも検討しなければならないでしょう。また、市街化調整区域というエリアも存在し、そこは市街化を積極的に進めてはならないと定められています。農業振興地域同様、許可申請が必要です。
所有している土地が農業振興地域、もしくは市街化調整区域かどうかの確認や許可申請は、私たちでも担当します。ですが、許可取得のため、一部お客さま自身で自治体に提出しなければいけない書類もあるので、二人三脚で進めていきましょう。
「敷地を読む」は経験がモノを言う
――「敷地を読む」の作業自体、とても難しそうなイメージですが…
そうですね、簡単ではありません。経験がないうちは「この形状・広さなら、こうすべきだ」という判断ができませんので。ちなみに私は、若いメンバーを必ず引率して調査に向かいます。彼らの経験値を高めるためです。テーマの趣旨から逸れたコメントになりますが、森住建は若手の育成にも力を入れている会社だと思います。質の高い事業を継続するには、後進育成が不可欠です。私も若手の頃は、先輩に声をかけていただき、その仕事ぶりを間近で見せていただきました。
建てて終わりではなく、その後のお付き合いも大切に
――最後に、これからマイホームづくりを考えている皆さんにメッセージを!
建ててからもメンテナンスのために永年訪問(スマイレストVIP会員に入会された方のみ)を実践していますし、OBさまとのつながりを続けていくためのイベント開催にも積極的です。弊社でマイホームを建てていただいた以上、お客さまにはずっと幸せに暮らしてもらいたい。だからこそ、建てて終わりではなく、その後のお付き合いも大切にし、寄り添い続けていきます。実は過去に弊社の事業姿勢に感銘を受けたお客さまが、「森住建で働きたい」との熱意を持って入社した事例もあるんですよ。
PROFILE
森田裕哉
新築事業部・池田店 店長