フェイスマガジン
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2-② 疾患による特徴と住宅改修 【脳血管障害の方の住宅改修】
2011.03.21
2-① 疾患による特徴と住宅改修 【脳血管障害の方の住宅改修】
【脳血管障害とは】
脳の血管が詰まったり、破れたりしたために、体に残った障害のことです。
主な症状は
「片麻痺(傷ついた脳と反対側に麻痺が生じます)」
「感覚障害(熱さ・冷たさ・痛み等がわからないことです)」
「言語障害(右片麻痺の方に多いです)」
「視力障害・視野障害(左片麻痺の方に多いです)」などです。
これらの中でも、今回は「片麻痺」の残ってしまった場合についてお伝えします。
【片麻痺があると】
1.麻痺のある側の手足の筋肉が次第に硬くなっていき、そのまま放置しておくとやがて筋肉が固まって拘縮してしまいます。 麻痺があっても動く可能性は0ではないことを知りましょう。 たとえば、トイレへの出入り時や立ち上がり時に、あえて麻痺した手も使うように手すりをつけて、 少しでも手足を動かす機会を作りましょう。 2.姿勢を安定するのが難しくなります。麻痺した側の腰や肩などを前に出すような工夫をしましょう。 たとえば、洗面や食事で座っているときは、麻痺した手も載せることができるよう手すりなどを設置しましょう。 3.なめらかに動かそうとすると、かえって硬くなります。 たとえば、衣類の着脱時には、中間でいったん止めると、腕が硬くて袖が通らないということがやわらぎます。 4.麻痺していない手足だけを使っていると、麻痺した側の手足はますます硬縮が強くなって、体に巻きつくようになってしまいます。 麻痺した手足を全く使わない生活にならないように注意しましょう。 たとえば、玄関からの出入りを安全にして、屋外への出入りをすることは、無意識にも大事なリハビリになります。 5.体の力のバランスが崩れやすくなるので、階段や玄関上り框の昇り降り時等に転倒しやすくなります。 麻痺の程度によって違いますが、安易にスロープにすると、下る時に転倒してかえって危険な場合があります。 いちがいにスロープが良いとは限らないことを、知っておきましょう。