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”おうちづくり”は「用・強・美」で”心地良く!?”【その2】
2022.07.07
工務部積算担当の加藤です。
私は木造の世界に関わり間もなく20年になります。
そして、20年を迎える2024年に合わせ我が家の新築を考えています。
今回も、私なりの『大切にしている住宅観』についてご紹介したいと思います。
これまで、前職を含め住宅新築・社寺新築・文化財保存修理の経験を経てたどり着いた住宅観・・・
それは20年前にイメージした住宅観とは、良い意味で変わっていきました。
学生時代に憧れた建築家である恩師に学んだ住宅建築に求められる3つのキーワード。
それは、「用」と「強」と「美」でした。
簡単にいえば、字のごとく、
「用」は、暮らす人の使い易さに優れるほか、材料も上手に用いること。
「強」は、構造的な強度のほか、時間的に耐久できる強度もあわせもつこと。
「美」は、それ自身の美しさのほか、周りとも調和できる美しさもあわせもつこと。
という具合です。
学生ながらにおぼろげに理解はしていたものの、実は、非常に奥深い言葉なのだと感じています。
その理解も私なりに深まった現在では、その「用」「強」「美」を満たした先にある「心地よさ」を住宅観として持っています。
住宅に限らず、あらゆるものの選択肢が無数に選べる今の時代には、「絶対にこれが正しい」という住宅観はありませんが、「こうありたい」という住宅観は、ぜひそれぞれに持ちたいものです。
2回目の今回は、「強」の考え方のうち、【構造的な強度】という視点について考えます。
こちらは、「理に適う構造的な強さ」を大切にします。
家づくりにおける間取りを計画することは、同時に構造(力学的な強さ)も計画しています。
間取りは目に見えますが、構造は意外に目に見えにくいものです。
目に見える間取りも重要ですし、目に見えない構造もまた重要です。
目に見えないものを扱うことは難しいので、できるだけ構造は単純にすることで理に適った構造的な強さを具現化します。
そもそも建物の構造計画は、建物自体の重さ・中に入るものの重さなどの日常はたらく力に耐えることと、雪の重さ・地震や台風などの非日常の力にも耐えることを計画しています。
いろいろな種類の力が、いろいろな方向に、いろいろな大きさで働くので、それらを建物が上手に流せる(抵抗できる)ように計画します。
普段から建物にはたらく力や雪・地震・台風からの力を無くすことはできませんが、その力がはたらいたときに、建物のなかに伝わる力を上手に流す工夫をすることはできます。
その一例をご紹介しましょう。
例えば、2階建ての場合の一番上の屋根の重さ(力)をどのような流れで順番に部材へ伝えるかを考えてみます。
一般的には、次のようになります。
>屋根垂木→母屋→小屋束→小屋梁・桁→2階柱→2階床梁桁→1階柱→土台→基礎→地盤
工夫する場合、次のように2階床梁桁に力を負担させずに流すことができます。
>屋根垂木→小梁・登梁→棟木・軒桁・小屋梁→2階柱→1階柱→土台→基礎→地盤
計画中の我が家の場合、屋根の重さを直接負担する2階床梁桁は1本も配置しない計画とすることで、2階床梁桁は2階に入れるものの重さだけを支えれば良いというように単純化します。
このことは、大きな部材に頼ることなく、規格寸法だけを上手に活かして材料を「用」いることにもつながります。
結果的に、2階床梁桁は、同じ方向に、同じ長さ・同じ断面のものが必要最小限に規則的に整然と並び、強さをまとった「心地よさ」として、キレイな骨格をつくりだします。
もちろんこれ以外にも工夫すべき要素はまだまだあるのですが、いかにキレイに力を流すかという視点で考えていくと、力に抵抗する様々な部材をどのように配置していくべきかが見えてくるのです。
そうすると、自然に偏りの少ないバランスのとれた造りとなり、『理に適った構造の強さ』が実現できるのです。
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